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あわら市北潟、”とみつ”の名称で知られるこの地で生まれ育った吉村さん。戦後の入植の際におじいさんがこの地を開墾し農業をはじめ、彼で三代目。
吉村さんが生産するのは、”とみつ金時”という品種のさつまいも。水分バランスが良く、甘さだけでなく旨さも兼ね合わせた、しっとりほくほくが人気の秘訣のよう。
 
お父様の代から本格的にさつまいも生産を始め、農協を通さずにお客様からの声を直接品質改良に活かし、少しずつファンを増やしていった。「小さい頃から農業以外を職業にするという選択肢はなかったので、学校を出て21歳の時に迷いもなく本格的に農業を始めました。」
 
その当時、生産者のほとんどが高齢化しており、吉村さんの次に若いのが30歳も年上の方だったそう。吉村さんには、このままでは産地が衰退してしまうという危機感があったと言います。「10年くらい色々と試行錯誤してました。そんな中、リーマンショックが起きて、地元を離れ都心部で仕事をしていた同世代の農家の後継者がみんな地元に帰ってきたんです。そこから地域ぐるみで、”とみつ金時”産地の活性化に本格的に取り組みはじめました。」
 
「この産地を守るためのしっかりとした収穫量さえ出来れば良かったので、どのような規模で運営していけば良いかは初めから明確でした。」吉村さんの決意はいつだって迷いがない。この地域を産地を、そして風景を守り伝えていくことの1点で気持ち良い程に
シンプル。↓つづく

株式会社フィールドワークスとして法人化したのが6年前。やっとここ2、3年でなんとか目指すべきレベルが見えてきたという。そんな吉村さん、やり手の農家として県内外のメディアに取り上げられることも増えてきた。「社名のフィールドワークスは野良仕事の意味で、うちは農家なのに自分のとこで食べる分の田んぼさえ、もっていないんです笑 だから純粋に畑仕事だけで食っていくぞという意気込みを込めた名前にしました。」また、会社のロゴやパンフレットなどの制作物、HPのデザインや映像に至るまで非常に洗練された表現をしていることについて聞くと「生き残っていくためには”見せる農業”も必要だと思うんです。良いものを作るのは当然で、新しい農家のイメージや自分達の想いをどのように伝えていくかが大事だと思います。」なかなかそれが出来ないのが若手農家の悩みだったりもする中で、ここでも吉村さんは明確な道を1つ1つ進んでいる。

「とみつ金時は全国的にもまだまだ知名度がないので、コンパクトな産地だからこそ出来る強みをしっかりと出して、自分も楽しみながらやっていきたいですね。」全国区の人気さつまいも品種になる日はすぐそこだろうと感じた。

​株式会社フィールドワークス
​吉村智和さん
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